ナイトシフト 真夜中の救命医 S1

2014年~(2015年~日本放送)(全8話)
医療ドラマ

2017年4月2日より AXNでS1、S2の一挙放送開始!


【キャスト】
TC・キャラハン(オーエン・マッケン):津田英佑
ジョーダン・アレクサンダー(ジル・フリント):佐古真弓
トファー・ジーア(ケン・レオン):小森創介
ドリュー・アリスター(ブレンダン・フェア):玉木雅士
ポール・カミングス(ロバート・ベイリー):須藤翔
クリスタ・ベル=ハート(ジーナン・グーセン):根本圭子
ケニー・フォーネット(JR・レモン):鶴岡聡
マイケル・ラゴーサ(フレディ・ロドリゲス):古谷徹
スコット・クレメンス(スコット・ウォルフ)(4~6.8話)、マイク:松本保典
ランドリー・デ・ラ・クルス(ダニエラ・アロンソ):安藤麻吹

【スタッフ】
制作局:NBC
制作総指揮:ゲイブ・サックス、ジェフ・ジュダー
日本放送局:WOWOW、AXNほか


 2014年からアメリカで放送されている、ER(救急救命室)の夜勤スタッフを題材にした医療ドラマ。日本では2015年からWOWOWで放送、2017年3月からDVDレンタル開始。2017年3月現在でシーズン3まで放送中。 医療ドラマなだけあって専門用語がバンバン飛び交いますが、ERチームのキャラが濃くてキャラものとして楽しめるし、(泥沼の)恋愛もあるので構えなくても面白く観れます。 さりとて医療モノには違いないのでグロ耐性のない方は要注意。オペ中の内臓とか切断された四肢とか血がドバドバとか盛りだくさんです。特に私が「キツイな~」と思ったのは、目ん玉ポロリ目ん玉ブチブチ。他は普通に見てたけどこれだけは耐えられず…ていうか傷病の様子がものすごいリアルなんですけど、どうやって撮ってるんだろう…? ウッ思い出したら鳥肌が…(;´・ω・)

 

 テキサス州サンアントニオ病院は、基地に囲まれた街に建つ唯一の医療機関。腕利きの女医ジョーダンはERのナイトシフト・チーフに志願する。事務長ラゴーサに認められチーフになったジョーダンは、ナイトシフトチームの医師でかつての恋人・TCと共に働くこととなった。
 限られた予算と少ない人手で、大量の急病人たちを可能な限り受け入れていく医療スタッフたち。元軍医のTCやトファー、予備役(有事のみ服務する在郷軍人)のドリューを筆頭に、時にヘリで現場に駆け付け、時に崩壊する建物から病人を救い出す。
 院の存続のため合理的な経営を目指すラゴーサと人命のためにはルールを壊すTCの板挟みにあい、頭を悩ませるジョーダン。TCの強硬な態度に隠された苦しみを知る彼女は、彼に寄り添い支えようとするが、やがて二人の距離は再び近づいていく。しかしTCには精神科医のランドリー、ジョーダンには外科医のスコットという新しいパートナーがおり…。

 

 サンアントニオ病院は経営難なようで、周囲の工場や基地から運ばれてくる大量の病人に対しスタッフが慢性的に不足気味。ナイトシフトスタッフは常にあっぷあっぷしながら、「できることをやる」と一人でも多くの人命を助けるために奔走する。特に元軍人のTCやトファー、ドリューは体を張って現場に急行しレスキューのようなこともやってのける。そんな息をもつかせぬ医療劇に、陽気でユニークな登場人物たちの人間ドラマが絡み合い、恋愛関係が交錯して…という、見どころたっぷりな内容です。

 

 スコットはジョーダンの現・恋人で腕のいい外科医。別の病院の医師だったが、ラゴーサの熱烈なラブコールに応えサンアントニオの外科部長に就任。遠距離恋愛だったジョーダンとナイトシフトの両輪になり、2人で力を合わせて頑張っていこう…と盛り立てられたはいいものの、すぐに破天荒なTCと彼に揺れ動くジョーダンに翻弄される。 目の前の患者に必死になるあまりルールをぶち壊していくTCと、割り切って患者を処理していくスコットはすぐに対立。しかも二人とも我が強いので言い合いに発展、さらにジョーダンを巡って関係は悪化していく。医師としての技量は互いに認めてるんですけどねえ(笑)S1を見た限りでは、主人公カップルの分かりやすい当て馬って感じです。

 

 ただ主人公のTCは周囲に迷惑をかけてしまうこともあるので、彼に入れ込めない視聴者はスコットの方に好印象を持てるかもしれません。”人情のTC”は「俺が患者を助けたい」と言って自らオペ室で執刀をしますが、その間ほっぽりだされたERは人手不足で大迷惑。「持ち場に帰って」と注意されるも知らんぷり。ERと外科の分業を無視してスコットも不愉快に。(こういうところは「私が私が!」と無理してしまうジョーダンと似たものカップルです。)
 「何をおいても患者最優先」というTCの信念の素晴らしさは言うまでもなく、確かな技術と豊富な経験でそれを可能にする彼に心酔する同僚も少なくない。しかしあまりにTCが礼賛されてしまうと、「お前の理想のために割を食う人間もいるんですよ…」というもやもやが湧いてくる…。TCやジョーダンを窘める人たちは決して間違ったことを言っているわけではないのに、悪役になってしまう。かといって”合理のスコット”の言う「さっさと見切って処置をしろ」っていう冷徹なやり方一辺倒でも困りますけどね。一人でも多く処置するためはしょうがないんですけど。

 

 ERメンバーはみんなお気に入りなのでちょっと紹介。特に私が好きなのは、事務長のラゴーサ!初めは融通の利かない冷徹な経営者として登場しますが、押さえつけだけでは上手くいかないことを学び譲歩を覚えるようになります。スマートな顔立ちですが背丈がミニマムで、TCたちを見上げながらぷりぷり怒るのがすごくかわいい(笑) 不器用ながらもスタッフに歩み寄り、精神科医のランドリーに「どうだ、すごいだろう!」と自慢しちゃうお調子者。あざといなあもう! しかしそんな彼にも、ある悲しい秘密が。回を追うごとに癒しキャラになっていきます。幸せになってくれラゴーサ事務長…!

 

 あとは研修医のクリスタとポール。クリスタは明るい女の子で度胸があり腕も優秀、ポールは一族総外科医の名門出だが生真面目で臆病者。クリスタはドリューの”ある秘密”を知り彼を支えるいいオンナになるし、ポールは失敗をバネに目覚ましい成長を遂げる。この二人の成長物語は素直に応援しちゃう。S2、S3にもぜひ続投してほしいな~。

 

 それから精神科医のランドリー。TCの現恋人…というかセックスフレンド?長身のセクシーなラテン美女。医療スタッフが治療にあたる傍ら心の病気を抱えた患者を担当し、ERが助けられなかった患者の遺族たちにも応対する。スタッフと打ち解けられないラゴーサをサポートしたり、TC本人よりもTCのことを分かっていたりと同僚たちにも鋭い観察眼を発揮。ジョーダンとは違ったタイプのデキる女。かっこいい///

 

 とにかく登場人物がみんな魅力的なのでぜひそこんところを楽しんでみてください。S1を見終わっちゃった私は早く続きが観たくて堪らない(笑)保典さん目当てで観始めたけど、ドラマそのものが面白くて良かったです。TCのアレとかジョーダンのソレとかラゴーサのアレコレはどうなるのかな!スコット出番いっぱいあるといいな!(やっぱりそれ)


X-ファイル S2

1994年~ / SF・クライムサスペンス(全25話)

【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
シガレット・スモーキング・マン(ウィリアム・B・デイヴィス):小島敏彦
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(4.5.6話):松本保典
X(スティーヴン・ウィリアムズ):麦人
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 90年代に大ヒットしたアメリカのSFテレビドラマ。1993年にS1の放送が開始、02年までにシーズンが9本と映画2本が制作された。2016年にはシーズン10(Xファイル2016)を放送。FBI特別捜査官のモルダーとスカリーが、UFOや地球外生命体といった超常現象に立ち向かう。

 

 FBIのモルダーは、優秀だがオカルトを信じる変人捜査官。未解決の事件や異常な事件を集めた”Xファイル”を管理していた彼のもとに、ある日女性捜査官のスカリーが配属される。FBI上層部は医学博士であり物理学を修めた彼女にモルダーの報告書を検証するように命じる。コンビを組んだ二人は現代の科学では説明できない不可思議な事件を担当し、モルダーは地球外生命体やテレパシーなど超常現象の仕業だと主張する。超常現象懐疑論者のスカリーは彼の意見を否定しようとするが、やがて彼女自身も超常現象の被害にあい、”この世ならざる存在”を目の当たりにする。

 

 S1の終盤でアメリカ政府がUFOとかかわりを持っていることが仄めかされるが、Xファイル課は圧力により閉鎖されてしまう。教職に戻ったスカリーの代わりにモルダーの相棒となるクライチェックが登場。新米捜査官の彼は相変わらず超常現象を追いかけているモルダーについて回るが、土壇場になって捜査を妨害、彼の工作によりスカリーはUFOに誘拐されてしまう。クライチェックは姿をくらまし、FBI副長官のスキナーによってXファイル課が復活する。
 その後行方不明だったスカリーが突如発見されるが、誘拐されていた間のことは憶えていなかった。モルダーとスカリーは再びFBI捜査官として数々の事件に挑んでいく。真実を追おうとするモルダーの前には情報提供者が度々現れ、モルダーは謎の組織の存在を確信する。組織はやがてモルダーとスカリーの存在を問題視し、二人は身の危険にさらされる。

 

 S2の撮影時にスカリー役のジリアン・アンダーソンさんが産休に入ったらしく、その穴埋めとしてクライチェックが登場する。当初は3話のみの出演予定だったそうですが、S2最終話に再登場。以後S9までたまに出てくるらしい。
 初登場時はちょっと抜けた新米刑事としてモルダーと捜査に乗り出す。モルダーがUFOとか超能力とか言い出しても頭ごなしに否定しない。モルダーにイジられながら何だかんだコンビとして上手く協力できるように・・・なったと思った矢先、クライチェックは”組織”の手先だと発覚する。まつ毛長くてちょっと童顔。かわいい。

 

 Xファイルは当時のドラマとしては破格の製作費を用意されていたようで、大規模なロケや迫力のある特殊メイクがすごい。ただ話はいつも「不可思議な事件が起きる → 現代の科学では説明できないと分かる → 『この事件の詳細はいまだ不明である…』 → ED」を何十回と繰り返すだけなので、連続で見てると飽きちゃいます。一応”モルダーの妹の行方”とか”謎の組織の正体とは”とかシリーズ全体を通しての謎もあるんですけど、全然進まないので…(笑)S2は”組織”のメンバー”CSマン”やその手下クライチェック、スキナー副長官の顔見せまでです。

 

 ちなみに、クライチェックさんが出る回は高確率で保典さんがほかの端役の兼ね役をしています。S2の25話では砂漠地帯に住む少年のエリックを担当。保典さん声のモブがいると「あぁこの回あとでクライチェックさん出てくるんだなあ…(=゚ω゚)」と分かるので、ある種ネタバレになっちゃってます(笑)


X-ファイル S3

1995年~ / SF・クライムサスペンス(全24話)
【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
シガレット・スモーキング・マン(ウィリアム・B・デイヴィス):小島敏彦
ウェル・マニキュアード・マン(ジョン・ネヴィル):小山武宏
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(1.2.15.16話):松本保典
X(スティーヴン・ウィリアムズ):麦人
ディープ・スロート(ジェリー・ハーディン)
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
マーク・ポメランツ(1話)、医師(2話):松本保典
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 S2からさらに話の本筋が動く。特に1、2話で”組織”について様々なことが明らかになりました。S2ではかなりの権力者に見えたCSマンの弱い部分や、あまり存在感のなかったスキナーの自発的な行動など、キャラの掘り下げもあります。とはいえ全24話中4分の3は本筋に関係ない単発の事件なのでさすがにダレてきました(笑)お忙しい人は最低1.2.9.10.15.16話だけ押さえておけばS4以降も置いてけぼりにはなりません。クライチェックさんが出ると必然的に組織も動くので、彼の出演回は見て下さいね!(*'ω'*)

 

 国防総省の極秘ファイル”MJファイル”を手に入れたモルダーは中身の解読を急ぐ。”組織”はMJファイルの関係者だったモルダーの父をクライチェックに殺させ、モルダーの命も狙う。CSマンは自らモルダーに手を下し、彼は行方不明に ・・・というのがS2の最後。
 ”MJファイル”は国防総省のUFOに関する記録で、1950年代からアメリカ政府が地球外知的生命体を感知していたことを裏付ける証拠だった。解読を進めるスカリーはFBIの職務を追われた後もモルダーの行方を探すが、途中で自分の首に謎の金属片が埋め込まれているのを発見する。
 モルダーは奇跡的に一命を取り留め、父の同僚から政府の秘密施設を教えられる。そこには膨大な量のアメリカ国民の医療カルテと体組織サンプルが保管されており、スカリーやモルダーのファイルも存在した。情報提供者の”マニキュアマン”は、アメリカ政府が50年代から身元確認や予防接種の名目で国民のDNAを収集しており、それらは地球人と地球外生命体の遺伝子交配種をつくる実験に使用されていたと話す。また、モルダーの妹が誘拐されたのはモルダーの父が職務から逃げないようにするための人質であったことも明かした。
 ”組織”の正体は不明のままだが、CSマンが若かりしモルダーの父と同僚であったこと、モルダーの母と長い付き合いであること、”組織”は科学を信奉していて、自由を手に入れると抑制が効かなくなる人類を権力によって管理している(と思っている)、ということが明らかになった。

 

 S3のクライチェックさんは、”組織”の命令でモルダーの父とスカリーの姉を殺害。本当はスカリーを殺すはずだったのに標的を間違えてしまったため、CSマンから始末されかける。間一髪で難を逃れたクライチェックさんはスキナーを強襲して奪ったMJファイルを使い、裏社会の情報屋と取引をしながら身を隠していた。 FBI時代は髪を後ろになでつけ真面目な新米捜査官を演じていましたが、アウトローになった後は前髪を長くしたワイルドなスタイルに。こっちもカッコよくていいですね~~「仲良く死ぬんだなァ」なんてあくどい捨て台詞も似合ってますよ!

 

 組織側の人間ではマニキュアマンも注目。”組織”でCSマンと渡り合う老紳士で、失態を演じるCSマンを訝しみモルダーに情報を提供したり、スカリーに危機を知らせてくれる。CSマンより強そう。


 それからFBI副長官のスキナー、当初は”組織”側の人間かな~と思ってましたがCSマンに反目するようになり、モルダーやスキナーの味方をしてくれるようになりました。MJファイル絡みでは機密情報と引き換えに二人の身の安全を確保するようCSマンに取引を持ち掛けたりしていて、なかなかやります。こんなことしていてよく生きてられますね…(一回殺されかけたけど)。

 

 モルダーの妹については、生死や居場所は不明のまま。モルダーの父を脅すため”組織”が人質を欲しがり、娘か息子どちらかの選択を迫られた父が娘を差し出した模様。お父さんは国家のトップシークレットに関与し娘は宇宙人の人質、お母さんも”組織”の人間と顔見知りときて、モルダー一家は初めから”組織”に関わりのある人たちだったんですねえ。モルダーがXファイル課なんていう閑職で超常現象を追い求めた結果”組織”のしっぽを掴んでしまうとは、偶然なんだか必然なんだかって感じです。


 一方スカリーはモルダーに関わったばっかりにUFOに拉致されてしまい実験体にされ、お姉さんを殺されてしまう。首に埋め込まれていた金属片は識別票のようなものらしいが今んとこ健康みたいなので、大した実験はされなかったのかも? MJファイルにスカリーの名前が載っていたこともあるので今後またスカリーの身に何かあるかもしれない。S4ではもうちょっと進展があるといいな~(笑)


X-ファイル S4

1996年~ / SF・クライムサスペンス(全24話)
【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
シガレット・スモーキング・マン(ウィリアム・B・デイヴィス):小島敏彦
ウェル・マニキュアード・マン(ジョン・ネヴィル):小山武宏
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(8.9話):松本保典
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 様々な事実が明らかになったS3に比べると、S4はちょっと停滞ぎみかも。モルダーとスカリーの関係は明らかに変わったしCSマンの過去とかスキナーの立ち位置とか気になることはいろいろありますが、「それで結局どうなるの?」という肝心なところはぼかして、S5に持ち越しです。

 

 ●クライチェックさん登場回の8、9話。 S3で太平洋の海底から発見された人間を乗っ取る黒い液体、ブラックオイル(またはブラックキャンサー)を含む鉱石がアメリカに持ち込まれた。鉱石の産出地であるロシア・ツングースカに飛んだモルダーとクライチェックは現地人に捕まってしまい、人体実験場に収容される。そこではブラックオイルの研究のため人間を故意に感染させており、モルダーも被験者となる。何とか帰国したモルダーはスカリーと共に調査を進めるが、ブラックオイルの被害者は次々と殺され、鉱石も盗まれてしまった。何者かによって鉱石が処分されようとしていると悟ったモルダー達はその行方を追うが、ロシアの元KGBエージェント・ぺスコフによって破壊されてしまった。
 外交郵袋(がいこうゆうたい)としてアメリカに持ち込まれたこの鉱石は、本来”組織”の息のかかった生物毒素の権威・カーンセイヤ医学博士に届けられる予定だった。カーンセイヤ博士は自身が理事を務めた老人ホームでブラックオイルの人体実験を行っていたが、今回の密輸入はクライチェックによってリークされ、ぺスコフによって証拠を隠滅された。一連の事件は、ロシアから密輸入されていたブラックオイルを使った”組織”の実験を妨害するため、クライチェックとその協力者によって仕組まれた計画だった。

 

 死んだかと思われたクライチェックさん、やっぱり生きてました。S3でブラックオイルに乗っ取られ、ミサイル格納施設にしまわれていたUFOの下へ行き、そこでブラックオイルから解放されたはいいものの閉じ込められてしまっていました(ここで”組織”が確実に殺しとけばよかったのに…)。どうやってかそこから脱出したクライチェックさん、今回は極右テロリストと組んで爆弾を運搬していましたが、作戦をモルダーにリークしてテロを未然に防ぎ、再会。「生きるため(テロリストの)仲間のフリをして」いたけど「俺にも愛国心が」あるからお前に知らせたよ、と言い、”組織”の情報を教えるから協力しよう、と持ち掛けてくる。”組織”から切られて命を狙われているクライチェックさんとモルダーたちは同じ目的を持った同志…と言えなくもないもんね。


 クライチェックさんは”組織”が怪しげなブツを密輸入しているという情報を得、それを回収して”組織”を倒すためモルダーに協力を頼んできた・・・かに見えた。しかし実際は、ロシアから盗まれたブラックオイルを回収し”組織”が行ってきた研究成果を破壊、爆弾を用意して鉱石を処分するというところまで初めから計画していた。個人で動いているのではなく、アメリカ政府が中心となって支援している”組織”に対抗する、ロシア系の敵対組織かなにかで活動しているらしい。ロシアで予想外に拘束されてしまった後は計画の実行をペスコフに任せていましたが、彼とは”アルンツェン”という名で以前からのお知り合いだったみたい。いつからロシア系組織で働いてるんでしょうねえ。

 

 

 ●14話。スカリーが癌に侵されていると発覚。いかなる治療も期待できない状態で、UFOに拉致された事が発病の原因ではないかと思われた。S3で登場した、UFOに拉致された女性たちの集まりを調べたモルダーは、彼女らやスカリーが共通して不妊治療を受けていたことを突き止めるが、具体的な治療法を見つけることはできなかった。スカリーを救うためCSマンと取引しようとするモルダーをスキナーは推しとどめたが、スキナーは自分でCSマンと取引をする。

 

 ●24話。モルダーが異星人の死体を手に入れるが、国防総省の職員から「それはお前を騙すための偽物だ」と教えられる。今までのUFO騒ぎや未確認生物、妹の誘拐ですら仕組まれた工作だったと言われ、目的を見失ったモルダーは自殺しようと拳銃を手に取る。

 

 今までのことが全て仕組まれた事だったと思い失意に沈むモルダー。彼は本当に死んでしまったのか!?って引きで終わりますが当然そんなわけないです。これからどうなるのかな~。

 モルダーの三人のお友達”ローンガンメン”が大活躍。存在感が増してきたしCSマンに活動を捕捉されているらしいことも分かったので、そろそろ彼らの安否が心配になってきました。あとスカリーのために危ない橋を渡っているスキナーも。いつまで無事でいられるかな(´・ω・`)


Xファイル S5

1997年~ / SF・クライムサスペンス(全20話)
【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
ウェル・マニキュアード・マン(ジョン・ネヴィル):小山武宏
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(13.14.20話):松本保典
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
ジェフリー・スペンダー(クリス・オーウェンズ):坪井智浩
ダイアナ・ファウリー(ミミ・ロジャース):一城みゆ希
マリタ・コバルービアス(ローリー・ホールデン):沢海陽子
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 ●13.14話。旧ソ連地域で謎の大火災が発生、被害者はみな体に極小のチップを埋め込まれていた。現場にやってきたクライチェックは目撃者の少年を捕獲しブラックオイルに感染させる。一足遅れて到着した国連事務総長代行のマリタ・コバルービアスは”組織”にこのことを報告したあと、ひそかに共謀していたクライチェックに近づき少年を奪っていくが、少年のブラックオイルに乗っ取られ”組織”に連れ戻される。
 国防総省職員に会って以降UFOの存在を信じられなくなっていたモルダーは、UFO拉致被害者のカサンドラにも懐疑的な目を向けていた。しかしカサンドラや同様の被害を訴える者、そしてスカリーまでもが何かに導かれるように一堂に会し、そこで大量の焼死体が発見される。二つの火災現場では”顔のない男たち”が目撃されており、”組織”は彼らを”反乱軍”だと結論付ける。
 マニキュアマンはクライチェックの行動からロシアが対ブラックオイル用ワクチンの開発に成功していると推測する。これにより”組織”は「エイリアンの入植計画に引き続き協力する」派と「これを機に入植計画に反抗する」派に分かれるが、マニキュアマンは後者だった。
 クライチェックはマニキュアマンの命令によりモルダーのもとを訪ね、「”戦争”が始まっている」と告げる。彼曰くエイリアンたちが地球への入植を企んでおり、それに反乱する者が捕まえられたらしい。クライチェックはモルダーにキスし、彼を「同志」と呼んで去っていった。

 

 クライチェックさんはまだロシアにいたらしい。目撃者の少年をもしもの時の安全策としてブラックオイルに感染させ、ロシアが開発に成功していたワクチンを盗み、マニキュアマンに「お前らの持ってるワクチンをよこせ」と交渉を持ち掛ける。見込みに反し”組織”はまだワクチンの生成に成功していないようだったが、ロシア製ワクチンはブラックオイルに有効に働いた。”組織”幹部連中は「これからも”彼ら=エイリアン”と協力するかどうか」について話し合っていたので、”組織”はもともとブラックオイルを使用したエイリアンの入植計画に一枚かんでいたんでしょうね。


 エイリアンたちはブラックオイルで人類を絶滅させ地球に入植するつもりで、”組織”は対抗手段を持たないためにその計画に協力してきた。しかしワクチンの生成と反乱軍の存在を機に、マニキュアマンは「反抗するなら今がチャンスだ」と考えた。で、志を同じくするクライチェックを引き入れ、クライチェックはモルダーのことも「同志」と呼んだ、と。 こんな感じかなあ?人物の関係や目的がいまいちわかりにくい(;´・ω・)

 


 ●20話。人の心を読む力を持つ少年・ギブソンが何者かに命を狙われていた。モルダーとスカリーは彼の警護にあたる。 カナダの雪深い山奥で隠居していたCSマンは、息子であるFBI捜査官ジェフリー・スペンダーに陰ながら助力をしていたが、突如現れたクライチェックによってアメリカに連れ戻される。”組織”連中はCSマンにギブソン暗殺にかかる証拠を隠滅するよう命じる。CSマンはスナイパーを始末しギブソンを拉致、マニキュアマンに引き渡した。 その後彼はFBIに侵入しXファイル課からサマンサの関係資料を抜き出すと、それ以外のすべての資料を焼き払った。

 

 死んだかと思われたCSマン、生きてました(このパターン多いな)。たしかCSマンは”組織”のスナイパーに撃たれたと思うんですが、今度は”組織”が彼を呼び戻しました。この回は”組織”の行動の一貫性のなさがよく分かりません。 ① CSマンを殺そうとしたが仲間に入れた ② 当初「ギブソンに生きて貰っていては困る」と言っていたが殺さずに保護した ③ クライチェックの裏切りを見逃して再び迎え入れた、という感じで、結局何が目的なのか…。③は「入植計画への反抗」に目覚めた?マニキュアマンの独断かもしれないですが。

 

 クライチェックさんはすっかりマニキュアマンの運転手に収まっていました。お前そんな当たり前みたいな顔して…!(^-^) いくらクライチェックさんがマニキュアマンと同じ考えを持っているからと言って、一度組織を裏切って敵対していた相手をこうも簡単に手元に置くとは。特にマニキュアマン以外の幹部がよく許したなって感じです。まだロシアの方に忠誠を誓っている二重スパイかもしれないのに~。

 

 

 S5ではいままでのレギュラー以外に新キャラが登場。まずCSマンの息子のジェフリー。FBI捜査官で、母のカサンドラはUFOに何度も誘拐されている。CSマンは彼に身分を明かさずに陰ながら助力をしているらしい。身の危険を考えたらそんなことしないほうがいいんだろうけど…。裏社会で生きてきた分息子のことが気になるんでしょうねえ。CSマンに育てられたと証言したモルダーの妹・サマンサも「お父さんはいい人」みたいなこと言ってたし、何年も創作活動にはげんでいたらしいこともあってCSマンがちょっとだけ可愛く見えてきました…(笑)

 

 それからダイアナ・ファウリー。モルダーの元恋人で彼と一緒にXファイルを始めた人物。スカリーと交代でギブソンの護衛にあたっていたが、”組織”の人間に襲撃され意識不明の重体になる。スカリーと異なり超常現象を頭ごなしに否定しない。スカリーのライバル?(笑)S6以降も出番がありそう。

 

 あとはマリタ・コバルービアス。初登場じゃないけどこのシーズンで急に存在感が増す。以前モルダーと知り合ってから度々”組織”についての情報をリークしていましたが、やっぱり”組織”の人間だったらしい。表の顔は国連事務総長代理。謎の大火災の調査でロシアに急行するがクライチェックさんに先を越される。その後クライチェックさんに近寄り目撃者の少年を強奪。その少年はモルダーに渡すつもりだったみたいだけど、結局彼女はどこの人間なのか、というか何が目的なのか?初めから”組織”に忠誠を誓った人間だったんならモルダーに協力するのはおかしいし、クライチェックさんのように”組織”から離反するつもりだったのなら彼を裏切る必要はないし…。結局クライチェックさんの罠(というか安全策)にかかりブラックオイルとそのワクチンの実験台にされました。ワクチンは有効に効いたのでまだ生きてるはず。

 

 なんか急に話がでかくなってきました。今まではアメリカ政府や”組織”を倒す目的で動いていたモルダーですが、「異星人同士の戦争」とかいわれると、もはやモルダーやスカリーにはどうしようもないですよ…(笑)


Xファイル S6

1998年~ / SF・クライムサスペンス(全22話)
【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(9.11.12.22話):松本保典
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
ジェフリー・スペンダー(クリス・オーウェンズ):坪井智浩
ダイアナ・ファウリー(ミミ・ロジャース):一城みゆ希
マリタ・コバルービアス(ローリー・ホールデン):沢海陽子
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 実はシーズン5と6の間には『X-ファイル ザ・ムービー』という劇場版が挟まってるんですが、「クライチェックさん出ないならいっか~☆」と思って見てません。”組織”がらみのXファイルの本筋を理解するためにはかなり重要な話だったみたいですが。しかしご安心を。1話冒頭でFBIのお偉いさんがたによって大体の話は教えてもらえます。ありがとうお偉いさん!

 

 

 ●1話。Xファイル課の資料が焼失した。モルダーとスカリーは、”組織”が特殊栽培したコーンを使い蜂にブラックオイルを運ばせて人間の体内でエイリアンの胎児を成長させ彼らの入植計画に協力している(これが映画版の要約)という話をFBI幹部連中に話すが、案の定信用を得られずXファイル課を解任される。課それ自体は存続し、ジェフリーとダイアナが後任となる。

 

 ●9話。スキナーが何者かによって毒物を盛られ、「あと24時間の命だ」と宣告された。前日にFBIを訪れていた物理学者のオゲール博士が怪しいと踏んだモルダーは捜査を開始する。博士は何者かに拉致されたが、”SR819”というWHOを通じて発展途上国に医療技術を提供する基金設立法案がスキナーの身を脅かしていることを掴む。法案の可決を推進していたマティソン上院議員は、クライチェックに脅されモルダーの捜査に非協力的になる。
 法案の技術内容の審査を担当していたオゲール博士の死をもって事態は収束、法案は撤回されスキナーの病状も回復した。クライチェックはSR819法案で海外に輸出されようとしていたナノマシンを使いスキナーをいつでも殺せる状態に置き、「(何が望みかは)今に分かる」と言い残して去っていった。

 

 オゲール博士は「SR819法案が新技術輸出禁止規則に反する」ということをスキナーに話そうとし、FBIに赴いた。つまり法案の可決に邪魔になりそうだったので、法案を通したいチュニジア大使館の人間(=クライチェックとラズウェル)に拉致され、殺されてしまった?そういえばダイアナがFBIのヨーロッパ支局にいたとき週一で訪問していたのもチュニジアでしたね。 チュニジアの人が法案を可決させてアメリカの最新技術(=ナノマシン)を手に入れたいと思い、陰で暗躍してオゲール博士やマティソン上院議員を脅すのはまあいいとして、なんでそれにクライチェックさんが関わってくるんだろう??(´・ω・`)

 

 クライチェックさんは新技術のナノマシンを使ってスキナーを苦しめた一方、チュニジア大使館の人にスキナーが殺されそうになったときは助けている。新技術の輸出相手国であるチュニジアに取り入りそちらの利益になるようギリギリまで働いておいて、土壇場で仲間を殺し自分の目的(=スキナーを自分の意のままに操ること)を達成した後は手を引いた(=法案は撤回された)。つまり今回もお得意の二重スパイ?例えば「愚民どもに代わり人類を統率する」という使命をもった”組織”がナノマシンの流出を防ぐためクライチェックさんをスパイにし、入手したナノマシンをつかってついでにスキナーを脅迫しようとした、とか。でもそれなら博士を殺したり必要以上にマティソン上院議員を脅したりする必要は無さそうだし?う~~~んよくわかんない(^-^)

 

 とにかく大事なのは”これ以降クライチェックさんがスキナーの生死を意のままにできる”ということです。”組織”はさっさとこうすべきだったよね。なんで今までスキナーを野放しにしてたんだろう(笑)

 

 ●11.12話。行方不明になっていたカサンドラが発見された。彼女は30年近く”組織”の実験台にされており、ついに異星人と地球人のハイブリッド第一号となった。ハイブリッドの制作は入植計画の開始を意味していたが、この実験の成功は”組織”にとって予想外の出来事であった。”組織”は再び異星人協力派と親反乱軍派に割れ始める。CSマンは統率を取り戻すため息子のジェフリーを引き入れる。
 カサンドラは一時”組織”から逃れるが、再び捕まってしまう。共に捕らえられたモルダーは”組織”が実験に使用している除染場に連れていかれ、そこでワクチン開発の実験台になっていたマリタに出会う。彼女と話したモルダーは「ハイブリッドの開発はポーズであり、このことに気づいたコロニスト(入植者)は入植を開始するだろう」ということを知る。
 モルダーとスカリーを妨害するような行動をとるダイアナに対し、スカリーは不信感を募らせる。ダイアナはCSマンによって”組織”に引き抜かれており、彼女の部屋にCSマンが現れる。彼はモルダーに”組織”のことを話す。”組織”のメンバーは国務省の同僚たちで、異星人の侵略から地球を守るためある計画を立てた。彼らの家族と交換で異星人の胎児をもらい受け、そのDNAで異星人の大虐殺を生き延びるハイブリッドを作り出すという計画だった。実際はその計画で時間稼ぎをし、その間に異星人のDNAから大虐殺に使用される生物兵器(ブラックオイル、ブラックキャンサー、またはピュリティ)のワクチンを開発していた。しかし意に反してハイブリッドの実験に成功してしまったため入植が始まってしまう可能性があり、それを阻止せんとする反乱軍の動きが読めないこともあり入植は止められない、とCSマンは主張した。
 異星人に実験の成功を知らせるため待ち合わせ場所に集まる”組織”の人間たちだったが、クライチェックは集合せずまだ調査を続けていた。異星人の胎児の保管場へ赴いたクライチェックは胎児が盗まれているのを見つけ激しく怒り「反乱軍の勝ち」だと確信する。集合場所には反乱軍が現れ、CSマン以外の幹部たちやその家族、そしてカサンドラを焼き殺した。
 ジェフリーは自分の責任を感じ、Xファイル課にモルダーとスカリーを戻すよう進言する。そこへCSマンが現れ、自分を裏切ったジェフリーを始末する。

 

 ”組織”の陰謀の全容が明らかに。異星人と地球人のハイブリッド計画は表向きのものだった。ハイブリッドが出来たら彼らを異星人に隷属させ入植に協力させるとのことですが、そんなん必要なのかな?(笑)今まで出てきた異星人って人間に変身する能力を持っている奴がいたはずだし、ブラックオイルを人間に植えつければ体内でエイリアンを増やすことが可能なことも分かってる。というかそもそも異星人の科学力は明らかに地球人より数段上なんだから”組織”の協力とかいらないでしょ。もうやろうと思えばいつでもできませんかね異星人さん?('ω')  とにかくこの時間稼ぎがうっかり成功してしまい、入植まで秒読み段階になってしまった。しかしあと一歩のところで反乱軍が現れ、カサンドラや”組織”の人間を一掃し入植計画はおじゃんに。これでもう侵略される心配は無くなった、のかな…?

 

 そして飛行場でCSマンが「これで全員か?…クライチェックは?」と言った時、はじめて気づきました・・・。マニキュアマン、もういないの…?ということに・・・。”組織”連中でクライチェックさんに次いで私の贔屓だった、英国紳士のマニキュアマン、最近でてこないな~~と思っていたら劇場版で死んでたらしいです。しかも自爆。そんな~~~~(´;ω;`) 連中のなかでは穏健派で頭も良さそうで、CSマンにとって代わる大物になると期待してたのに~…。私気づくのおそ~い…。割とショックです。

 

 クライチェックさんはすっかり”組織”の人間に元通り。初期の捨て駒から出世したねクライチェックさん! 私はてっきり、クライチェックさんは自分を殺そうとしたCSマンにまだ恨みを抱いていて、”組織”の穏健派であるマニキュアマンの私兵として働いてるのかなと思ってたんですが、マニキュアマン亡きあともCSマンの下で活動してるみたい。ジェフリーに対しCSマンのことを「君の親父さんは立派だよ」と言ったり、反乱軍に加担しようか?と提案する”組織”の幹部に「今さらそんなことするんですか」と言ったり、S5から一転CSマンにかなり近い考えを持つようになったみたい。S5では入植計画を進める”組織”に反抗し独自にワクチンを集めようとしてたっぽいのにね。そういえば今回も「ワクチンはできてるんですか?」って声荒げてたし、集合場所に行かずに異星人の胎児を探してました。…探してたというか取りに行った?どうしてもワクチンが気になるみたい。

 

 このエピソード、個人的にはCSマンの株が爆上がりです。ちょっと前からCSマンにも情があるんだよ~っていうことを示すエピソードがありましたが、今回はさらにそれが浮き彫りに。本来殺すべきカサンドラを殺せず、「私を殺して」と縋りつかれても辛そうに後ろを向くCSマン、まるでいいやつじゃないですか。彼がモルダーに「私たちは地球を救ってきた」と熱弁するシーンも、彼の情熱と正義が垣間見えて良かったし。モルダーは「自分の家族を人質にするなんて!この人でなし!」って怒ってましたけど、CSマンの話を聞く限りではやむを得ない決断だったのが分かるし、大勢の命のために少数に犠牲になってもらうっていうのは合理的な考えですしね。フィクションの主人公としては「誰も死なせやしないぜ!」っていうモルダー的な性格がいいんでしょうけど(笑)

 

 ●22話。アフリカの海岸でナバホ語の書かれた石板が発見される。生物の宇宙起源説を研究するマクマレン博士はアメリカで同様の研究をするサンドス教授にこれを見せようとするが、学長のバーンズに奪われ殺害されてしまう。モルダーとスカリーはこの事件を調査するようスキナーに命じられるが、モルダーは石板の写しをみるだけで体調不良を訴え始める。スキナーは二人の行動を監視・記録し、クライチェックに情報を流す。
 ナバホ族のアルバートによって石板の文字が解読され、聖書の一説が書かれていることが分かった。モルダーは「異星人がこれを書いた」「人類の起源は宇宙にある」と主張し始める。床に臥せるモルダーはダイアナに監視されていた。やがてモルダーは脳障害を発症し、精神病棟で隔離される。
 サンドス教授は安全のため身を隠していた。彼は石板に人間のDNAの塩基配列(人の遺伝情報)が記されていることを発見するが、クライチェックに殺害されてしまう。スカリーは単身アフリカに渡り、石板の発見された場所に巨大な宇宙船が埋まっているのを目撃する。

 

 ”組織”が事実上消滅したあと、入植者の思惑は反乱軍により潰えて「これからどうするのかな~」と思ってましたが、また新たなUFO騒ぎが。そして幹部連中で唯一生き残ったCSマンはまたどこか別の組織にでも入ったのか、「人類滅亡の危機」に対処している集まりに出席中。”組織”がなくなったからといって彼の出番もなくなるってわけでは無いんですね。

 

 クライチェックさんもそれは同じで、以前のように暗躍中。モルダーとスカリーの動きを監視しバーンズ教授に近づく。スキナーの執務室のドアから出てくるクライチェックさん、まるでいつぞやのCSマンみたい…(笑)

 クライチェックさんが監視テープを受け取ったのは、モルダー達がマクマレンの死体をサンドスの家から発見した後。モルダーは「サンドスは無実。マクマレンを殺したのはバーンズでしょう」と推理。「遺物はホンモノでバーンズはこれを手に入れるために殺しをした」「バーンズはマクマレンの死体のうち放射能の残りやすい部分を隠した」「検出された放射能は地球外のものである」などの情報もスキナーに報告。この証言の入ったテープを後でバーンズにチラつかせながら「俺たち友達になれそうだな」とか言っていたので、このうちのどれかの情報がバーンズにとって重要な意味を持っていたんでしょう。”捜査の手はお前に伸びてるぜ”って意味か、”遺物が宇宙からやってきたことが証明されたぞ”って部分か?


 クライチェックさんはナノマシンによってスキナーを意のままにすることができますから、モルダーとスカリーが遺物を調べるのを黙認した(か、そもそも捜査をさせたのがクライチェックさんだった)うえバーンズに情報を流してお近づきになり、サンドスを始末したのには何か思惑があるんでしょうねえ。このエピソードはシーズン7へのつなぎなので、謎はS7まで持ち越しでしょう。


Xファイル S7

1999年~ / SF・クライムサスペンス(全22話)
【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
スモーキングマン(ウィリアム・B・デイヴィス):小島敏彦
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(21.22話):松本保典
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
ジェフリー・スペンダー(クリス・オーウェンズ):坪井智浩
ダイアナ・ファウリー(ミミ・ロジャース):一城みゆ希
マリタ・コバルービアス(ローリー・ホールデン):沢海陽子
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 シーズン7は本筋の話が少なめ。”組織”は壊滅したし長い間引っ張っていた”異星人の入植”という危機が当面去ったことで、ゴールがなくなった感じがしますね。クライチェックさんもすっかり出番が減り、セリフがあるのはラストの22話だけ。寂しい…(;´・ω・)
 保典さんの出番は21話にもあります。(シーズン6から吹き替えキャストは2話連続で同じ人達を起用し、モブの声を分担しているので。まとめ撮りでしょうか?)ランプの精とお騒がせ兄弟が話している時のテレビの音声がそれ。「いつまで歩いてるんだ」と怒鳴る男性と演説をしている男性の声がおそらく保典さんだと思います。ちょっと聞き取るの難しいけど…(笑)

 

 

 ●1.2話。S6からのつづき。単身アフリカに渡りUFOに書かれた暗号の解読をしていたスカリーの身に、次々と不思議な現象が襲い掛かる。さらに彼女のもとにはバーンズ教授が現れ、解読を終えるまで見張っていると脅される。解読できたのはコーランの一説やヒトゲノムなど。さらに遺物には協力なパワーが宿っており、近くに置いた魚の死骸や人の死体が生き返った。驚嘆するバーンズの隙を見て監視から逃れたスカリーは、度重なる超常現象に恐怖し帰国する。スカリーの帰国後、UFOはアフリカの海岸から忽然と姿を消した。
 原因不明の脳障害で錯乱していたモルダーは、混濁する意識の中で元国防総省職員のクリッチュガウを呼び寄せる。クリッチュガウはモルダーが超能力に目覚めていることを突き止める。遅れてスカリーもやってくるが、彼を治療することはできないでいた。

 

 

 処置の施しようのないモルダーのもとに、CSマンがやってくる。彼は「私が君の父親だ」と告白し、モルダーを誘拐する。スキナーはモルダーの捜索から手を引き、スカリーは途方に暮れる。クリッチュガウはスカリーに「モルダーが2年前に感染した地球外ウィルスが遺物のパワーによって反応し、彼は地球外生命体の生き証人になった」と説明する。モルダーが”生物学的異星人”であることを証明したいクリッチュガウとモルダーを助けたいスカリーは対立するが、のちにクリッチュガウはクライチェックによって殺されてしまい、証拠も隠滅される。
 CSマンは”ハイブリッドの完全体”となったモルダーを国防総省の研究施設へ運び、「これからは私が引き継ぐ」とモルダーの抗体を自分に移植する。スカリーはダイアナの助けを得てモルダーを助け出すがその場にCSマンらはおらず、CSマンを裏切ったダイアナは殺害されてしまった。

 

 モルダーはシーズン4#8.9『ツングースカ』において、ロシアの収容所でブラックオイルの実験に使われていました。ロシアはワクチンの生成に成功していたので大したことにはなりませんでいたが、きっと体内に無効化されたブラックオイルが残っていたんでしょうね。その時に抗体ができたのかも。とにかくそれが遺物のパワーでなんやかんやして、「異星人の生き証人」「滅亡を防ぐ救世主」とやらに。

 

 モルダーに呼ばれ彼のことを調べていたクリッチュガウ(モルダーがUFOの存在に否定的になるきっかけとなった人物)はモルダーの事を外部で詳しく研究してもらおうとしていましたが、その前にクライチェックさんに殺され資料も燃やされました。
 クライチェックさんはシーズン6の最後でバーンズ博士に情報を渡し、UFOの調査をするように焚きつけていました。モルダーとスカリーが「科学的に調査した結果、遺物は地球外のものであるとわかった」とスキナーに報告する様子を盗撮し、そのビデオテープを博士に渡したわけです。博士はスカリーの前に現れ「UFOが地球外のものだと知っている」「政府に脅されているんだ」「秘密を漏らすぞ」と言っていました。そしてクリッチュガウの殺害。つまり”お友達”になったクライチェックさんは彼、そしてスカリーに「世間に公表せず秘密裡に研究してほしい」と思っているわけです。二人が調べ上げた情報をバーンズ博士から吸い上げてCSマンに渡す、という計画だったのかな?それなら博士を使わずに自分でスカリー見張っとけよって思いますけどね(笑)

 

 とにかくクライチェックさんとCSマンは彼らを使いUFOを調べ、CSマンは思いがけない副産物に大喜びしたと。足がつきやすいと思われる国防総省の施設を使っていたことから”組織”を失ったことが大きな損失であったことがうかがえると思いますが、”組織”が無くなっても彼らは変わらず異星人を追いかけているんですね。
せっかく暗躍してくれたんだからしゃべってくれてもよかったのに~~。

 


 ●10.11話。モルダーの母ティナが自殺する。73年にサマンサの調査を打ち切ったのがCSマンだったことが発覚する。CSマンはスカリーに「サマンサは既に死んでいる」と告げる。モルダーはサマンサが死んでいることを悟る。

 


 ●15話。CSマンが「私はもう老い先短い」「末期がんを癒す異星人のチップの秘密を伝授したい」といいスカリーに接触してくる。

 

 一緒にドライブするCSマンとスカリー。やだちょっとかわいいじゃないこのコンビ♡ ”組織”の同志を亡くし死期も近い(?)CSマンはすっかり気落ちして、スカリーと仲良くなるのに必死。「私にとって君は大切なんだ」と言い、ヘビースモーカーを指摘されて「タバコはやめるよ」と宣言し、カラフルなキャンディをスカリーに勧め、ドレス選びを褒められて嬉しそうにし…。若く美しいスカリーのご機嫌を取りまくるCSおじいちゃん…。

 結局スカリーは治療法を入手することが出来ず、CSマンに利用されたことが分かりました。が、CSマンはラストで苦労して手に入れたディスクを海に放り投げてしまいます。善人の演技をするうちに、本当に改心してしまいたくなったのかも…。スカリーに向けた必死な目もウソだとは思いたくない…。 今までの「小説を書いて採用に大喜びするCSマン」とか「カサンドラを始末できないCSマン」とか、彼のカワイイところを見せられたせいでそんな期待を抱いてしまいますね~(^-^)


 ところでCSマンは#1.2でモルダーの”ハイブリッドの遺伝子”を移植していましたが、あれどうなったんでしょう(笑)死期が近いのはその手術のせいだとして、彼は寿命を縮めただけで成果を得ることはできなかったんでしょうか?特になんも語られませんでしたね。
 最後のシーンで辞めたはずのタバコを再び咥えるCSマン。心が揺らいだにしろ、また冷徹な仕事人に戻るぞ、っていう決意でしょうか。メタ的には「CSマンがいるの忘れないで~”組織”の話もちゃんとやるからね~~><」っていう制作陣からのアピール回かも(笑)早く本筋の話やってほしいよ~~!

 

 

 ●22話。オレゴンでUFOが山に墜落した。地元の保安官が山中を捜索してもUFOを見つけることはできなかったが、付近では不可思議な出来事が次々と起こる。
 マリタ・コバルービアスはチュニジアの収容所に入れられていたクライチェックを連れ出し、CSマンのもとに連れて行く。CSマンは衰弱しており、いよいよ死期が近い状態だった。CSマンはクライチェックにUFOの回収を命じ、「計画を再開するときだ」と告げる。回収したUFOとそれを取り戻しに来る異星人を手に入れ「全知全能を我が物に」しようという目論見だった。
 捜査をしていたモルダーとスカリーは、UFOを探し出すことが出来ずオフィスに帰ってくる。そこへスキナーがクライチェックとマリタを連れて現れる。クライチェックは「今がチャンスだ。今度こそ証拠を掴め。CSマンの最後の夢を踏みつぶしてやりたいんだ」と言いモルダーへの協力を申し出る。スカリーはローンガンメンと共に科学的調査をしモルダーはスキナーとUFOの捜索を続行する。しかしモルダーはスキナーの目の前で、修理を終えたUFOに連れ去られてしまった。
 手ぶらで帰ってきたクライチェックに、CSマンは「もともとやる気などなかったのか」「私やモルダーを殺せば人類は滅亡するぞ」と言うが、クライチェックは彼を階段から突き落とした。
 モルダーの事を聞いたスカリーは彼を必ず探し出す、とスキナーに言い、妊娠していることを告白する。

 

 

 クライチェックさん、再登場したと思ったらチュニジアの刑務所に。なんでそんなところに…!(笑)シーズン6#9話『SR819』において、SR819法案を通すためにチュニジア大使館の人間と手を組んでいましたが、これ結構前の話ですよ…。ダイアナが足しげく通っていたのもチュニジアだし、”組織”とUFOがらみの何かがある土地なのかな~。


 CSマンと再会したクライチェックさんは「お前がぶち込んだんだろう」と言ってました。一方CSマンは「私のものを勝手に売ろうとした」「調子に乗って情報を売られても困る」と。前回(S7#2)の活躍後、クライチェックさんはおそらくアフリカで発見されたUFOから得た情報をどこかとの取引に使い、CSマンにお仕置きされたんでしょうねw  S6#11.12ではCSマンのことを褒めていたクライチェックさんですが、結局CSマンの野望は潰えてしまったので彼を見限ったか、もしくはクライチェックさんが懸念していた入植計画の危機が去ったので彼に従う必要がなくなったと踏んだのか。
 
 ”組織”と元の鞘に収まった彼もそれはそれでいいんですが、個人的にはCSマンから離反して独自に動くクライチェックさんというのがやっぱりしっくりきます。”組織”に隷属しない、自分自身の信念で動いてるって感じがして。CSマンも「仕事ぶりは認めるが信用はしてない」って感じだし。そもそもロシアで活動してたクライチェックさんを手元に置いておくこと自体ちょっと信じられないくらいですけど。クライチェックさん自身の目的とか考えとか、そこんとこもっと掘り下げてくれてもよかったのに…!(ノД`)・゜・。

 

 そしてついにUFOで連れ去られてしまうモルダー…さよならモルダー…('ω')ノ(淡泊か) 実はモルダー役の俳優さんが制作陣とギャラで争って勝訴したとか、モルダーのイメージが付きすぎることを嫌って降板したがったとか、そういう事情があってモルダーの退場が決まったらしいです。新シーズンからは新しい捜査官が登場。私は別にモルダーにそこまでの思い入れはないのですが(スカリーはかっこいいので大好き❤)、ここまでモルダーの物語として続いてきたのに急に「はい新キャラで」って言われても正直困惑してしまいます。それならいっそXファイル自体にすっきりした決着をつけて欲しかったような。モルダーの手でCSマンを打ち倒すとか。


 とはいえモルダーも最後には帰ってきますし、2016年の『シーズン10(邦題:Xファイル2016)』、2017年に制作が発表された『シーズン11』はモルダーとスカリーが主人公ですから、やっぱり彼らがいないとはじまらないってことなんでしょうね。モルダーの俳優さん、今年(2017年)で56歳ですけどまた走りまわされてしまうんでしょうか…(笑)


Xファイル S8

2000年~ / SF・クライムサスペンス(全21話)
【キャスト】
※吹き替えはソフト版
フォックス・モルダー(デイヴィッド・ドゥカヴニー):小杉十郎太
ダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン):相沢恵子
ジョン・ドゲット(ロバート・パトリック):大塚芳忠
モニカ・レイエス(アナベス・ギッシュ):佐々木優子
ウォルター・スキナー(ミッチ・ピレッジ):島香裕
アレックス・クライチェック(ニコラス・リー)(15.20.21話):松本保典
フロヒキー(トム・ブレイドウッド):広瀬正志
バイヤース(ブルース・ハーウッド):稲葉実
ラングリー(ディーン・ハグランド):落合弘治
【スタッフ】
制作局:フォックス放送
監督:ロブ・ボウマン、クリス・カーターほか
脚本:クリス・カーターほか



 ●1.2話。モルダーがUFOに連れ去られた。FBI長官代理のカーシュはモルダーの一件をありふれた失踪事件ととらえ、おざなりに捜査する。彼からモルダーの捜索を命じられたジョン・ドゲット特別捜査官もまたスカリーとスキナーの証言を信じずにいたが、実際に超常現象を目の当たりにすることとなり愕然とする。一行は行方不明になっていた心の読める少年・ギブソンを手掛かりにモルダーを捜索しUFOとニアミスするも、証拠を掴むことは出来ずに調査を終える。カーシュの期待に添うことのできなかったドゲットはXファイル課に左遷さされる。

 

 

 モルダーの代わりにスカリーの相棒となる、ドゲット登場。初登場時の印象はあんまりよくないけど、捜査が進むうちわりといい人なんじゃないかなって気がしてくる。超常現象やUFOの話を聞かされて「おまえ正気か?」って言ってしまうのはごく普通の感性だし(一般人からしたらスカリーとスキナーは変人にしか見えないし実際初期のスカリーはドゲットみたいな態度だった)、カーシュや他の捜査官を上手く味方につけながら多くのリソースを投入して捜査にあたる姿は、モルダーとはタイプの違った賢さに見える。
超常現象は信じないけど膨大なXファイルの資料すべてに目を通したりとか、やる気が感じられていいです。

 

 その後ドゲットはスカリーといくつかの事件を共にしますが、やっぱドゲット良いやつですね。捜査への考えは違えどもスカリーに「やれ」と言われれば言う通りに動くし(Xファイル課の先輩だからね)、彼女の身の安全をすごく心配するし。何度もスカリーのピンチに登場して助けてくれましたしね。私はドゲットがスカリーの妊娠を知っていて優しくしてるのかなと思ってましたが、どうやら知らされてなかったみたいです。超常現象を信じられないのは人生経験の差ってことでしょうがないとして、結構信用できるやつだなって思います。

 

 

●14.15話。モルダーと共に誘拐されたテレサが発見され、多数の人々がUFOを目撃する。調査に出かけたスカリーとドゲットはエイリアンのスミスに会い、モルダーの遺体を発見する。
 モルダーの死から3か月後、一度死んだ人間が生き返るという事件が発生、スキナーがモルダーの墓を掘り返すとモルダーもまた息を吹き返した。ドゲットが調査をすると、モルダーが生き返ったのは異星人の実験の成果であり、彼はやがて異星人の体に生まれ変わってしまうということが判明する。スキナーはクライチェックから脅され「モルダーを完治させるワクチンが欲しければスカリーの出産を阻止しろ」という選択を迫られる。スキナーは取引を拒みクライチェックを逃すが、モルダーは奇跡的に回復し意識を取り戻した。

 

 

 一般視聴者「モルダーお帰り~~!」

 私「クライチェックさんお帰り~~!><」

 って感じです(笑)ここんとこ本筋の話がご無沙汰でしたからね~。入植計画は区切りがついたしCSマンは死んだ(?)し、クライチェックさん特にやることなくなっちゃったんで…(笑)
 しかし久しぶりに登場したクライチェックさん、スカリーのお腹の子(もしや異星人の子なのでは…という疑惑があります)を恐れてました。彼は”組織”や対抗勢力のロシアなど様々な立場で暗躍しましたが、大体は「彼なりに入植を阻止しようとしていた」(はずな)ので、異星人の子が生まれるのは人類にとってまずいんでしょうねえ。


 あとドゲットに向かってワクチンと思しき液体をチラつかせてましたけど、あれ絶対ニセモノでしょw 「モルダーの親父さんが開発したワクチン」ということは=ブラックオイルに対するワクチンのはずですが、それなら”組織”は結局開発できないで終わったし、いまさらロシアから入手なんてできないし、そもそもモルダーはハイブリッド化して既知のウィルスにはかからない完全体になったのでは?(シーズン7冒頭の脳の異常はモルダーの”体内に残留していたウィルス”が活性化した結果だったはず)  未知のウィルスを治せるワクチンなんて、どっから持ってきたんだ?って話ですよ。”組織”が健在の時ならいざ知らず。ウソをついてでもスカリーの子を始末したいという、のっぴきならない事情があるんですかね。

 


 ●20.21話。スカリーの出産が間近に迫った。準備を進めるスカリーだが、担当医や家政婦が怪しい動きを見せ、モルダーとドゲットが捜査をはじめる。家政婦は政府が援助するクローン実験に関わっており、「スカリーの子供は特別な子だ」と証言する。ほどなくして異星人に転生したビリー・マイルズがスカリーの家を強襲し、モルダーたちは突如現れたクライチェックの手を借りてビリーの魔の手から逃れる。
 クライチェックによると「ビリー達は代替人間、またはレプリカとも言うべき不死身の存在」であり「『最後の日』を生き抜くために人間がもたらすあらゆる障害を取り除き地球を奪い返す」ために本能のまま邪魔者を排斥するという。不妊だったスカリーが子を授かったという”奇跡”を問題視した彼らはスカリーを狙い、クライチェックは彼らに子供を奪われる前に殺してしまおうと考えていた。やがて彼らの元にビリーが現れ、スカリーはレイエスと共に身を隠す。


 スカリーらがアーカンソー州の片田舎で出産に備える間、ドゲットとモルダーは情報通のノエルを探していた。ノエルは「スカリーは無敵兵士製造の実験台となった」とドゲットに教え、スカリーの居場所を知りたがっていた。FBIの地下駐車場に現れたノエルはクライチェックの車に同乗しており、ドゲットを騙してモルダーとスキナーを始末する計画を企てていた。クライチェックを見張っていたモルダーは不意をつかれ殺されそうになるが、スキナーによって助けられる。スキナーはクライチェックと決着をつけ、モルダーはスカリーを助けるため空港に急いだ。
 スカリーは陣痛をむかえ隠れ家で出産を始めるが、異星人たちに見つかってしまう。しかし彼らはなぜかスカリーを襲撃せず、出産が終わるとどこかへ去っていった。スカリーは無事男の子を生み、ドゲットとレイエスはモルダーとスカリーの代わりにXファイルの捜査を続けることを決意した。

 

 

 ついに、クライチェックさん逝きました~~~!!(笑)

 お疲れクライチェックさん!! いやぁ~~初登場は小物臭がすごくて、退場するのを今か今かと待っていたんですが(笑)、”組織”を追われブラックオイルに乗っ取られロシアに取り残されても必ずモルダーの前に帰ってきて、しぶとかったですねえ~。てっきりクライチェックさんにケリをつけるのはお父さんを殺されたモルダーかな~と予想してたんですが、スキナーがやりました。まあスキナーも彼に苦しめられた一人だったのでいいんですけど、せっかくなら信条の違いをぶつけ合い説得の末クライチェックさんを倒すモルダー! っていうシーンが見たかったです。
 モルダーはCSマンと「どんな目的があろうとも大切な人を犠牲にするなんておかしい!」という考えで対立していて、このクライチェックさんとの対決もまさに同じ主張の繰り返しでしたから、スキナーに助けて貰うんじゃなくて自分で自分の正しさを証明してほしかったなーと思います…なんて。

 

 でそのクライチェックさんですが、どうやらノエルらと通じていた模様。15話で「スカリーの出産を阻止しろ」とスキナーに迫った時「どうやってFBIの建物に入ってきた」と驚かれていたので、この時点でもうFBI職員とのパイプを持っていたみたい。クライチェックさんは、 ①  ノエルやFBI上層部に化けた代替人間に取り入って赤ん坊を強奪する計画に協力することで彼らの計画を探り、 ② それによりスカリーの動向を把握し、 ③  土壇場で赤ん坊を始末するつもりだった。  ④  一時同志と思っていたモルダーはもはや切り捨てるべき存在だと判断しその点では”彼ら”と利害が一致した・・・、ということでしょうか。スキナーに撃たれる時「彼らを止めたかった」って言ってましたからね。だから代替人間の事に詳しかったり「FBIの上層部にまで”彼ら”が入り込んでいる」ということを知っていた、と。もはやお家芸と化したクライチェックさんの二重スパイ作戦ですね。

 

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 クライチェックさんは「異星人の地球侵略を阻止する」という大筋のところではモルダーと同じ目的を持っていて、彼のことを「同志」と呼ぶ場面もありました。しかしやはり相いれなかったのは「そのために何かを犠牲にする」という点。

 モルダーは入植計画の時に取引のために妹を差し出されたのが許せず、代替人間との戦いではスカリーの子供を犠牲にする事を許せなかった。一方クライチェックさんはCSマンのことを「偉大な男」だと褒めている通り、CSマンと似た合理的な(そして冷酷な)考え方をする人です。クライチェックさんの言う「君を殺すチャンスは何度もあった、それを生かしてやった、君なら勝てると思ったから」「君が子供を諦めようとしないから、君を殺すしかない」というのはそういうことですよね。

 つまりクライチェックさんとの対立は『モルダーが”大切な人を犠牲にしない”という第三の道を選択する』ための戦いであり、CSマンとの対立と本質的に同じ意味を持っていたわけです。

(以上私なりのクライチェックさんまとめ)

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 このエピソードでドゲットがモルダーに「いつまで(戦いを)続けるつもりだ」と聞き、モルダーは「一生かも」と答えるんですが(Xファイルは2017年時点でシーズン11を制作中、主人公はモルダーです。やっぱり戦いは続く模様w)このクライチェックさんの殺害でもって「俺なりの方法で一生戦っていくぞ」という決意が示された気がするんですよね。CSマンやクライチェックさんのような何かを犠牲にするやり方とは決別し、地球も大事な人も守っていくぞ!っていう。だからこそ、クライチェックさんに始末をつけるのはモルダーであって欲しかったんですよ~。まあ、動けない相手の眉間を問答無用でぶち抜くモルダーとか、それはそれで見たくないですけど…( ˙-˙ ) 右手を撃たれて義手の左手では拳銃を拾うことができないクライチェックさん、ちょっと哀れでした…。

 

 そして危惧されていたスカリーの子供ですが、見た目は普通の男の子みたいでした。少なくとも今までさんざん見せられてきた異星人の子ではなさそう。代替人間たちがスカリーの出産を邪魔しなかった理由もよく分かりませんが、シーズン9ではこの子がキーパーソンになるのでしょうか…。それともスカリーは本格的に引退? 彼女にもやっと安息が訪れる? 後者であってほしいものですけどね…(笑)